ASBMR@モントリオール-2

つづきです。長文ですみません。

(デノスマブ)
乳癌に対してアロマターゼ阻害薬を使用している患者(薬剤性骨粗鬆症、CTIBL)に、デノスマブ(N=1613)とプラセボ(N=1576)を投与した大規模比較調査のその後を見た研究で、話題のデノスマブ中止後の骨折発生を見ています。
その結果、全骨折の発生数は163vs155と、意外なことに差がありませんでした。しかしながら、臨床的椎体骨折は39vs14(2.5倍)、多発椎体骨折が28vs8(3.5倍)と、やはりデノスマブ中止後の椎体骨折には注意が必要という結果が出ていました。逐次療法の重要性もさることながら、本研究ではデノスマブとアロマターゼ阻害剤の中止タイミングを揃えることで発生を低減できるという提案がされました。

(ゾレドロン酸)
65歳以上のオステオペニア(骨量減少、Tscore -1〜-2.5)患者に対する、ゾレドロン酸の18ヶ月1回投与の効果を見た研究の6年間の結果が発表されました。
ゾレドロン酸群(N=1000)はプラセボ群(N=1000)と比較して、全骨折(131vs227)、椎体骨折、非椎体骨折のいずれも有意に抑制されていました。さらには、心筋梗塞が癌などの骨以外のイベントも抑制されており、興味深い結果です。ゾレドロ健康外来でも始めようかな。

(SARM)
SERMでなくSARM、骨でなく筋肉です。選択的アンドロゲン受容体モジュレーター(SARM:VK5211)のPhase 2 Trial の結果が発表されて、何か賞ももらっていました。
大腿骨近位部骨折を発生した患者(N=108、男性25、女性83、平均77歳)を4群に分けて(0.5、1、2mg、プラセボ)3ヶ月の経過を見たところ、2mg投与群ではプラセボ群と比較して筋量(除脂肪体重:LBM)の増加したとのことです。骨量に関しては増加作用はなく、また、副作用はプラセボと差がなかったようです。サルコペニアに有効な治療薬になるかも、と期待されています。今後の展開が楽しみですね。



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— posted by 千葉恒 at 09:12 pm   commentComment [0] 

ASBMR@モントリオール-1

ASBMR@モントリオールに参加してきました。

長崎からの参加は、尾崎教授、岡崎先生、産婦人科の北島百合子先生、千葉の4名で、
発表は5題、いずれもHR-pQCTネタで、ポスター発表でした。

(千葉、関節リウマチ) Quantitative analysis of juxta-articular osteoporosis by HR-pQCT in patients with rheumatoid arthritis
(千葉、骨折治癒) In Vivo Analysis of Fracture Healing by HR-pQCT: The Effect of Osteosynthesis Plate on Image Quality
(岡崎、男性骨粗鬆症) Age related changes in bone microstructure, bone turnover markers, and serum pentosidine levels: HR-pQCT study in healthy Japanese men
(岡崎、椎体骨折) Microstructural analysis of human whole spine vertebrae by using HR-pQCT
(北島、女性アスリート) Menstrual abnormalities and cortical bone deterioration in young female athletes: an analysis by HR-pQCT
その中、北島百合子先生の演題が、Plenary Poster に選ばれました。おめでとうございます!

気になった発表ですが、

(T2T)
ロモソズマブの治験(ARCH)データを用いて、薬物治療によるBMD上昇と骨折抑制の関係を調査していました。結論としては、大腿骨全体T-scoreを、治療のターゲットにすべき、という内容でした。
日本では腰椎YAM、欧米では大腿骨頚部T-scoreが重視されている印象がありますが、大腿骨頚部はROIが小さく再現性が大腿骨全体より劣っており、定義も装置によって異なるため、このような結果が出たのではというCosman先生の見解でした。
日常診療では、治療による大腿骨BMDの上昇はわずかであり、早い時点での薬物介入と長い治療期間が重要と個人的には考えています。
今年はロモソズマブの承認に関して不確定な部分があったため、発表は控えめだったみたいです。来年は華々しくデビューとなることを期待しています。

(テリパラチド)
テリパラチド9ヶ月+デノスマブ1年を、6ヶ月重ねて投与(説明が難しいのですが、0ー3ヶ月はテリパラのみ、3-9ヶ月はテリパラ+デノスマブ、9-15ヶ月はデノスマブのみです)という新しい治療プロトコールの調査が発表されていました(DATA-HD)。通常量(20µg)と2倍量(40µg:HD)のテリパラチド(N=35、34、全例女性)の比較をしています。
驚きなのがその効果で、15ヶ月で腰椎BMDが、通常群で9.5%、HD群で17.5%増加しており、ロモソズマブ治験の12ヶ月で13.7%を超えていると強調していました。大腿骨頚部BMDの増加はそれぞれ4.3%と6.8%、大腿骨全体BMDは3.9%と6.1%です。副作用も通常と2倍量では差はないとのことでした。しかしこれには注文がついて、過去の容量決定の試験の際に、40µgは有害事象が高かったのでは?との指摘がされていました。

つづく



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— posted by 千葉恒 at 03:19 am   commentComment [0] 

かぶとむし 続報

K-ponの今年の夏の大きな出来事の1つは
かぶとむしを初めて飼って、触れるようになったことですが、

その後、怪物がやってきました、、
ヘラクレスオオカブトムシです。。

迫力が違います。やはりガイジンです。

整形外科医師、かつ、かぶとむしブリーダーのY先生、
ありがとうございました!


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— posted by 千葉恒 at 07:52 pm   commentComment [0] 

骨粗鬆症学会 プログラム-5

最後にランチョンセミナーです

プログラムはこちらLink です。

ーーーーーーーーーーー
10/26(金)
ランチョンセミナー
 宮腰尚久 先生 骨粗鬆症による椎体骨折の鑑別診断と治療-知っておくべきポイント-
 太田博明 先生 骨粗鬆症・認知症に対する乳類・MBPのニューサイエンス
 萩野 浩 先生 大腿骨近位部骨折の疫学と予防の最前線
 山本智章 先生 二次骨折予防の意義と実際-日本における課題とこれからの方向性-
 斎藤 充 先生 いつから始める?いつまで続ける骨粗鬆症治療—非定型骨折をおこさないためのロジックとはー
 木村 孝 先生 IOF Capture the FractureⓇ Best Practice Framework認証の活用
 石島旨章 先生 生涯にわたる骨粗鬆症治療 -現状と展望-

ーーーーーーーーーーー
10/27(土)
ランチョンセミナー
 鶴上 浩 先生 骨粗鬆症リエゾンサービスの展開と課題 (ショートレクチャー) 田中正宏 先生 片平弦一郎 先生 鶴上浩 先生 長谷奈那子 先生 宮崎木の実 先生(パネラー) ①骨粗鬆症リエゾンサービスはなぜ必要なのか?②アドヒアランス向上のためにできること③リエゾンサービス お悩み相談コーナー
 中村和利 先生 地域住民におけるビタミンDの有用性-疫学的視点から-
 酒井昭典 先生 骨粗鬆症と血清ビタミンD濃度-最新の知見-
 池田 聡 先生 実臨床における骨粗鬆症薬物治療
 小谷俊明 先生 骨粗鬆症性椎体骨折に対する病診連携と多職種連携〜急性期病院におけるリエゾンサービスの実際〜
 沖本信和 先生 多職種連携を基盤とした骨粗鬆症治療の実際

イブニングセミナー
 Harry K Genant 先生 Vertebral Fracture Assessment in Osteoporosis

ーーーーーーーーーーー
10/28(日)
モーニングセミナー
 加藤木丈英 先生 OLSを成功させなければならない今、骨粗鬆症マネージャーのモチベーション向上に寄与するものとは?
 星野美和  先生 新潟県における骨粗鬆症サポーターの養成 -医療から介護へ、多職種に広げる骨粗鬆症の知識と連携-
 千葉 恒     骨粗鬆症治療を骨微細構造の観点から考える HR-pQCTで見たテリパラチドの効果

ランチョンセミナー
 宗圓 聰 先生 骨粗鬆症診療に関する最新の知見
 竹内靖博 先生 骨粗鬆症の病態からみた治療の実践 
 沖本信和 先生 実臨床における骨代謝調整薬の使い方を、長所・短所から考える
 Didier Hans 先生 Trabecular Bone Score (TBS): from development to clinical practice
 池田 聡 先生 高齢化社会における骨折予防の意義 - OLSはCare Gapを埋め、健康寿命延伸を導く -
 稲葉雅章 先生 骨粗鬆症診療における骨代謝マーカーの測定意義と骨型アルカリホスファターゼ(BAP)の有用性

ーーーーーーーーーーー

私もモーニングセミナーで登場しますが、なんど7:00スタートです。
現在、弁当選びに苦労しております。良い弁当ほど製造数が少なく、ボツになってしまいますね。

一般演題ですが、過去最高の670題となり、最大限努力しましたが、
ご希望の発表形式やセッションとなっていない演者も多いです。申し訳ありません。

— posted by 千葉恒 at 09:48 am   commentComment [0] 

骨粗鬆症学会 プログラム-4

「ロールモデルに会いに行こう」は、本学会の新しい試みで、下記が企画文面です。

「憧れているけど、なかなかお声掛けできない、と日ごろ思っているロールモデルに直接会って懇談する場を設けます。ロールモデルのキャリア形成・研究の道中での苦労話を聞き、研究へのアドバイスをもらえる絶好の機会ですので、ぜひ楽しみにしてください。」

個室で10名ぐらいでの座談会で、事前登録制です。近々、ホームページで申し込みを開始します。
(9/21に開始しました!こちらLink 。)

ロールモデルの先生方は、、

宗圓 聡 先生 (近畿大学医学部奈良病院 整形外科・リウマチ科) リウマチ学
杉本利嗣 先生 (島根大学医学部 内科学講座内科学第一) 内分泌代謝学
竹内靖博 先生 (虎の門病院 内分泌センター) 内分泌代謝学
山本智章 先生 (新潟リハビリテーション病院 整形外科) 骨形態計測、リエゾン
吉村典子 先生 (東京大学医学部附属病院 22世紀医療センターロコモ予防学講座) 疫学
田中 栄 先生 (東京大学大学院 医学系研究科 整形外科学) 骨代謝学
池田 聡 先生 (健愛記念病院 整形外科) リエゾン
斎藤 充 先生 (東京慈恵会医科大学 整形外科) 骨質、コラーゲン架橋
網塚憲生 先生 (北海道大学 歯学研究院 硬組織発生生物学教室) 組織学 
辻 直樹 先生 (中外製薬株式会社) エルデカルシトール開発
中村泰朗 先生 (旭化成ファーマ株式会社) 週一回投与テリパラチド開発
南出敏臣 先生 (小野薬品工業株式会社) ミノドロネート開発

エディロール、テリボン、リカルボン・ボノテオは日本で開発された薬です。
開発リーダーである企業人の話が聞けるのも非常に面白いと思います。

つづく

— posted by 千葉恒 at 09:59 pm   commentComment [0] 

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