STEのほかに、この学会が走らせている
いくつかのタスクフォースについて報告がありました。
1)デノスマブ中断後リバウンド対策
みんなが知りたい気になるテーマでしたが、内容は今までの調査のレビューでした。
本テーマに関する論文は大量にありますが、ほとんどが観察研究で、
RCTは現在までに3つで(AfterDMAB RCT、CARD RCT、ZOLARMAB RCT)、その概要について解説がありました。
そして、現在進行中のRCTが4つあるそうで、今後、その結果を待ちたい、というような話でした。
2)AFF(非定型大腿骨骨折)
診断基準(2014年)の見直しをしているようです。
現在、使用している5つの基準が問題視されており(わかりにくい、不要そうな項目もある)、
どれが有用性が高い所見かを調査したところ、皮質骨肥厚と横骨折だったようで、
それらを中心としたシンプルな診断基準に2026年に変更を予定しているとのことでした。
3)ガイドラインのハーモナイゼーション(Harmonization)
知らなかったのですが、米国では、骨粗鬆症に関するガイドラインが乱立しているようで、
5つの学会がそれぞれに作成しており(ENDO、AACE、TMS、BHOF、ACP)、
ただ、ASBMRは、これらを統一するつもりではないそうで、それぞれのガイドラインの共通部や相違点が整理されました。
ASBMR @Seattle -3
2025/9/8
STE(Surrogate threshold effect)ですが、
これは私が2020年から大注目しているプロジェクトです。
(SABRE Project:Study to Advance BMD as a Regulatory Endpoint、SABRE はカタカナではセーバーと発音されています。)
プロジェクトのメインメンバーである、Dennis Black 教授は、長崎に来たり
、御自宅に訪問したり
するお友達でして、
たしか2020年に学会場で立ち話で解説してくれて、最初はちんぷんかんぷんでしたが、徐々に、これはビックプロジェクトだと思い、そこからフォローしています。
これも留学のおかげですね。。
このブログでは、2020年
、2021年
、2023年
、に解説をしています。
2020年の解説がわかりやすいので、転記します。
ーーーーーーーーーーー
Surrogate threshold effect (STE)
骨粗鬆症の新薬を開発するときに、もちろん治験で有効性を証明するわけですが、何をもって有効とするか?「骨密度の増加」または「骨折の抑制」のどちらかになるわけですが、歴史的に「骨折の抑制」をもって有効としています。でも、骨折ってそんなに起きるわけじゃないので、かなりのサンプルサイズが必要です。
Surrogate threshold effectとは、どう訳せばいいのかわかりませんが、過去の骨粗鬆症の治験の莫大なデータを用いて、骨密度が何%増えれば骨折がまず抑制できるだろうと言う、骨折抑制の代替となる骨密度の閾値を設定しようというコンセプトです。このプロジェクトには、骨代謝、骨粗鬆症業界の著名な人たちが共同演者となっています。
今回の発表では、大腿骨(全体)骨密度が24ヶ月で、1.2%上がれば椎体骨折、2.1%上がれば非椎体骨折、3.2%上がれば大腿骨近位部骨折の抑制が、有意に得られる、という結果でした。骨折をプライマリーエンドポイントにしなくても骨密度だけで疫学・統計学的には骨折抑制を証明できると言う意図です。大腿骨骨密度の3.2%アップはまぁまぁ大変だと思いますが、1.2%ならどうにかなりそうですね。
降圧薬は血圧が下がればいいわけですが、骨粗鬆症治療薬は骨密度が上がるだけではダメで、骨折抑制を証明しないといけないので、ハードルが高いと言われてきました。企業には大きな負担であり、これが新薬開発を妨げてきたとも言われています。そして現在、骨粗鬆症の新薬開発はほとんど枯渇してしまいました。これが、今回のプロジェクトの背景にあります。
ーーーーーーーーーーー
昨年2024年のASBMRは、メモだけして、アップし忘れていますね(いつかアップしようかな)。
簡単に言うと、FDA承認の最終ステップまできた。2025年の1月に決断がくだされる。という内容でした。
その際は、FDAからの演者もいて、ポジティブな講演内容でした。いよいよ感があったのですが、、
2025年の前半に、何度かググったのですが、承認のニュースは全然でてこない。トランプがらみかな??と思っていてら、
7月にLinkedinで、メインメンバーの Mary Bouxsein 教授が、ある会社が申請していたphase3のSTEでのプロトコールをFDAが認める通知を出した、とポストしていて、
わくわくしながら、9月のASBMRに突入しました。
で、今年の報告では、Dennisがアップデートを解説し、Maryが承認の最新情報を伝えてくれましたが、
ちょっとややこしい状況みたいで、FDAがSTEを公式に認める前に、STEプロトコールの申請を承認したようです。
「the cart before the horse 」(順番が逆だ!)と言ってましたが、まぁ、ポジティブな方向性として捉えています。
そして、FDAの公式な承認は、2025年12月というのが最新情報のようです。
さぁこれは大変です。
プライマリーエンドポイントを、骨折から大腿骨の骨密度(Total hip BMD)にしてよいならば、
骨粗鬆症治療薬の治験が500例でできるようになるのです。
企業としては、予算がとんでもなく節約でき、リスク(症例数が多すぎることで出現する)も回避できます。
高血圧治療薬が、血管イベントの抑制を証明しなくても、血圧が下がれば承認されるのと同じ状態になります。
これを契機に、骨研究が活発になることを期待します。
私が2年前から応援している海外の製薬企業があり、連絡を取り合っていますが、是非とも日本に導入したいと思っています。
あとは、カテプシンK阻害薬のふっかつ、、とか? 誰かしてくれないかなぁ//

これは私が2020年から大注目しているプロジェクトです。
(SABRE Project:Study to Advance BMD as a Regulatory Endpoint、SABRE はカタカナではセーバーと発音されています。)
プロジェクトのメインメンバーである、Dennis Black 教授は、長崎に来たり
たしか2020年に学会場で立ち話で解説してくれて、最初はちんぷんかんぷんでしたが、徐々に、これはビックプロジェクトだと思い、そこからフォローしています。
これも留学のおかげですね。。
このブログでは、2020年
2020年の解説がわかりやすいので、転記します。
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Surrogate threshold effect (STE)
骨粗鬆症の新薬を開発するときに、もちろん治験で有効性を証明するわけですが、何をもって有効とするか?「骨密度の増加」または「骨折の抑制」のどちらかになるわけですが、歴史的に「骨折の抑制」をもって有効としています。でも、骨折ってそんなに起きるわけじゃないので、かなりのサンプルサイズが必要です。
Surrogate threshold effectとは、どう訳せばいいのかわかりませんが、過去の骨粗鬆症の治験の莫大なデータを用いて、骨密度が何%増えれば骨折がまず抑制できるだろうと言う、骨折抑制の代替となる骨密度の閾値を設定しようというコンセプトです。このプロジェクトには、骨代謝、骨粗鬆症業界の著名な人たちが共同演者となっています。
今回の発表では、大腿骨(全体)骨密度が24ヶ月で、1.2%上がれば椎体骨折、2.1%上がれば非椎体骨折、3.2%上がれば大腿骨近位部骨折の抑制が、有意に得られる、という結果でした。骨折をプライマリーエンドポイントにしなくても骨密度だけで疫学・統計学的には骨折抑制を証明できると言う意図です。大腿骨骨密度の3.2%アップはまぁまぁ大変だと思いますが、1.2%ならどうにかなりそうですね。
降圧薬は血圧が下がればいいわけですが、骨粗鬆症治療薬は骨密度が上がるだけではダメで、骨折抑制を証明しないといけないので、ハードルが高いと言われてきました。企業には大きな負担であり、これが新薬開発を妨げてきたとも言われています。そして現在、骨粗鬆症の新薬開発はほとんど枯渇してしまいました。これが、今回のプロジェクトの背景にあります。
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昨年2024年のASBMRは、メモだけして、アップし忘れていますね(いつかアップしようかな)。
簡単に言うと、FDA承認の最終ステップまできた。2025年の1月に決断がくだされる。という内容でした。
その際は、FDAからの演者もいて、ポジティブな講演内容でした。いよいよ感があったのですが、、
2025年の前半に、何度かググったのですが、承認のニュースは全然でてこない。トランプがらみかな??と思っていてら、
7月にLinkedinで、メインメンバーの Mary Bouxsein 教授が、ある会社が申請していたphase3のSTEでのプロトコールをFDAが認める通知を出した、とポストしていて、
わくわくしながら、9月のASBMRに突入しました。
で、今年の報告では、Dennisがアップデートを解説し、Maryが承認の最新情報を伝えてくれましたが、
ちょっとややこしい状況みたいで、FDAがSTEを公式に認める前に、STEプロトコールの申請を承認したようです。
「the cart before the horse 」(順番が逆だ!)と言ってましたが、まぁ、ポジティブな方向性として捉えています。
そして、FDAの公式な承認は、2025年12月というのが最新情報のようです。
さぁこれは大変です。
プライマリーエンドポイントを、骨折から大腿骨の骨密度(Total hip BMD)にしてよいならば、
骨粗鬆症治療薬の治験が500例でできるようになるのです。
企業としては、予算がとんでもなく節約でき、リスク(症例数が多すぎることで出現する)も回避できます。
高血圧治療薬が、血管イベントの抑制を証明しなくても、血圧が下がれば承認されるのと同じ状態になります。
これを契機に、骨研究が活発になることを期待します。
私が2年前から応援している海外の製薬企業があり、連絡を取り合っていますが、是非とも日本に導入したいと思っています。
あとは、カテプシンK阻害薬のふっかつ、、とか? 誰かしてくれないかなぁ//

— posted by 千葉恒 at 05:19 pm
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ASBMR @Seattle -2
2025/9/7
ASBMRの近況レポートですが、
骨粗鬆症に関しては新薬の開発が停滞しており、
2017年のアバロパラチド、2019年のロモソズマブを最後に、
6年間、新薬のリリースがなく、また直近も予定がありません。
そんな中、現在は3つの大きな流れがあります。
1つ目は、希少骨疾患(Rare Bone Diseases:RBD)への注力。
FGF23関連低リン血症性骨軟化症、低フォスファーターゼ症、骨形成不全症、軟骨無形性症、副甲状腺機能低下症などへ、
新薬や、既存薬剤の適応拡大などが、活発化しています。
2つ目は、バイオシミラーです。
デリパラチドが2社から出ていますが(Alvogen、TEVA)、
デノスマブに関しては、2024〜25年で、4社からもリリースされています
(SANDOZ、SAMSUNG BIOEPSIS、CELLTRION、FRESENIUS KABI)。
3つ目が、STE(Surrogate threshold effect)と呼ばれる、
骨粗鬆症治療薬の治験のプライマリーエンドポイントを、骨折から大腿骨骨密度に変えると言うプロジェクトです。
これは、この業界においては、とっっても重要な話でして、のちほど解説します。

骨粗鬆症に関しては新薬の開発が停滞しており、
2017年のアバロパラチド、2019年のロモソズマブを最後に、
6年間、新薬のリリースがなく、また直近も予定がありません。
そんな中、現在は3つの大きな流れがあります。
1つ目は、希少骨疾患(Rare Bone Diseases:RBD)への注力。
FGF23関連低リン血症性骨軟化症、低フォスファーターゼ症、骨形成不全症、軟骨無形性症、副甲状腺機能低下症などへ、
新薬や、既存薬剤の適応拡大などが、活発化しています。
2つ目は、バイオシミラーです。
デリパラチドが2社から出ていますが(Alvogen、TEVA)、
デノスマブに関しては、2024〜25年で、4社からもリリースされています
(SANDOZ、SAMSUNG BIOEPSIS、CELLTRION、FRESENIUS KABI)。
3つ目が、STE(Surrogate threshold effect)と呼ばれる、
骨粗鬆症治療薬の治験のプライマリーエンドポイントを、骨折から大腿骨骨密度に変えると言うプロジェクトです。
これは、この業界においては、とっっても重要な話でして、のちほど解説します。

— posted by 千葉恒 at 07:37 pm
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ASBMR @Seattle -1
2025/9/6
ASBMR(北米骨代謝学会)に出席するためにシアトルに来ています。
シアトルはどうも前回のASBMR
以来、10年ぶりのようです。
当時は佐田先生がサンフランシスコに留学していて、岡崎先生と一緒に行って、現地合流したりしました。懐かしいな。
私とアンディの写真
もやっぱ若いなぁ。
旅にトラブルはつきものですが、最近は学会場にパソコンを忘れてくるぐらいなので、何かあると覚悟してました。
今回は、安さを求めてホテルではなくアパートを予約していたのですが、出発の前日に、いくら探しても確認メールがない。
ブラウザでは予約確認と、支払いが成立し、スクショもしてたので、妻が急遽、メールでやりとりしてくれて、
確認メールをゲットしてくれたました。これがなければ、やばかったです。
嫌な予感はしつつ、当日、アパートに着いたのですが、まず入り口のドアが鍵が閉まってて入れない。
何回もチャイムをしたら管理人さんが出てきて、その人がコロンビア人で全く会話が成立しない。
おまえの予約は聞いてない、確認する、とか言って、誰もいないロビーで10分ぐらい待たされたり(長〜く感じた)、
もう一回来たら、予約はないぜと、諦めるよう促されたり、いやいやあるだろ、昨日のメール見せて、
野宿はかんべん、いろいろ粘ったら最終的には部屋に入れてくれました。
部屋は内装とかはそんなに悪くないんですが、油断できない暗い部屋で、案の定シャワーのお湯の出が悪く、
結局、滞在した4日間は、洗面台からはお湯が出たので、長崎空港の頑丈なビニールのお土産袋にお湯ためて、
ペットボトルで行水して、発展途上国のような暮らしをしていました
いい歳して、なにしてんだ。



シアトルはどうも前回のASBMR
当時は佐田先生がサンフランシスコに留学していて、岡崎先生と一緒に行って、現地合流したりしました。懐かしいな。
私とアンディの写真
旅にトラブルはつきものですが、最近は学会場にパソコンを忘れてくるぐらいなので、何かあると覚悟してました。
今回は、安さを求めてホテルではなくアパートを予約していたのですが、出発の前日に、いくら探しても確認メールがない。
ブラウザでは予約確認と、支払いが成立し、スクショもしてたので、妻が急遽、メールでやりとりしてくれて、
確認メールをゲットしてくれたました。これがなければ、やばかったです。
嫌な予感はしつつ、当日、アパートに着いたのですが、まず入り口のドアが鍵が閉まってて入れない。
何回もチャイムをしたら管理人さんが出てきて、その人がコロンビア人で全く会話が成立しない。
おまえの予約は聞いてない、確認する、とか言って、誰もいないロビーで10分ぐらい待たされたり(長〜く感じた)、
もう一回来たら、予約はないぜと、諦めるよう促されたり、いやいやあるだろ、昨日のメール見せて、
野宿はかんべん、いろいろ粘ったら最終的には部屋に入れてくれました。
部屋は内装とかはそんなに悪くないんですが、油断できない暗い部屋で、案の定シャワーのお湯の出が悪く、
結局、滞在した4日間は、洗面台からはお湯が出たので、長崎空港の頑丈なビニールのお土産袋にお湯ためて、
ペットボトルで行水して、発展途上国のような暮らしをしていました
いい歳して、なにしてんだ。



— posted by 千葉恒 at 04:27 pm
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整形外科親善野球大会 @久留米
2025/8/25
整形外科医はスポーツ好きが多く、九州では毎年夏に、大学対抗の野球大会(本気のやつ)があり、
野球に縁のない私は、いつも当直を買って出て、参加してなかったのですが、
今年は医局長ですので、さすがに行くことになりました。
現地でも日傘さして応援してたんですが、
たぶん研修医以来、20年以上ぶりかな、、記念に1打席だけ立たせてもらいました。
へなちょこな内野フライで終わりましたが、なんだか懐かしい感覚でしたね。
一応、学生時代はテニス部で(ソフトテニス)、今は何もしてないんですが、
最近、体力の低下を感じていますので、運動でも始めようかなっと思ってます。


野球に縁のない私は、いつも当直を買って出て、参加してなかったのですが、
今年は医局長ですので、さすがに行くことになりました。
現地でも日傘さして応援してたんですが、
たぶん研修医以来、20年以上ぶりかな、、記念に1打席だけ立たせてもらいました。
へなちょこな内野フライで終わりましたが、なんだか懐かしい感覚でしたね。
一応、学生時代はテニス部で(ソフトテニス)、今は何もしてないんですが、
最近、体力の低下を感じていますので、運動でも始めようかなっと思ってます。


— posted by 千葉恒 at 03:51 pm
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