デンバー訪問

オーランドでASBMR、HR-pQCT Mtg.に参加したあと、コロラド州デンバーに移動し、
春から白石先生が留学しているコロラド大学デンバー校(UC Denver)を訪問しました。

ここで尾崎教授と合流です。訪問の目的は、留学受け入れのお礼のための挨拶と、研究のミーティングです。

到着した夜に、白石家(5人)、尾崎教授、千葉で食事をしましたが、奥様や子供3人が、私の想像以上にすでにアメリカ生活に適応していて、たくましさを感じました。

翌日はラボを訪問し、お互いの研究の内容を紹介しあって、今後の方向性などをミーティングしました。白石先生の3ヶ月間での理解度はなかなかのもので、とても感心しました。

ちなみに、今回の旅は、時差ボケが本当にひどく、過労で休む場面が多かったです。
次回から、海外出張の際の都市をまわる順番を変えようと思っています。西海岸から東海岸へ移動する順番です。


IMG_2298



IMG_2303



IMG_2308



— posted by 千葉恒 at 09:43 am   commentComment [0] 

HR-pQCT Users’ Meeting

ASBMR最終日の翌日は、恒例のHR-pQCTのUsers’ Meetingに参加してきました。

1)HR-pQCT, 15 years overview
HR-pQCTは2004年に開発され、今年で15周年を迎えました。記念すべき今年、まず、15年間の実績について、報告がありました。
HR-pQCTは現在、世界に87台あり、そのうち44台が新型のHR-pQCTです(second generation、2014年開発)。ちなみに、そのうち10台がアジアパシフィックにあり、そのうち3台が日本(長崎、名古屋、広島)にあります。
HR-pQCTによって書かれた論文の数は、合計737題あり、その20%がJBMR、15%がOsteoporosis international、12%がBone、骨研究の3大雑誌に収載されています。
また、Lancetに3題、JAMAに1題のHR-pQCTの論文も存在します。夢があっていいですね。

2)Influence of fat layering in HR-pQCT outcomes
肥満がHR-pQCTの計測値に与える影響に関する報告がありました。日本人の調査ではさほど問題ないと思っています。

3)Site-Specific Centile Curves for Second-Generation HR-pQCT Parameters in Men and Women
仲良くさせてもらっているカルガリー大学より、白人(カナダ)における基準値に関する報告です。データシートをドラッグドロップすることで、T-scoreが出せるような、オープンのウェブサイトを立ち上げています。私たちも日本人におけるアプリケーションの開発を検討中です。

4)Compartmental and Spatial Interrelationships of Bone Parameters in the Distal Radius in a Colles’ Fracture Study using HR-pQCT

春よりデンバーに留学している白石先生の発表です。詳しくは白石先生の留学ブログで。こちらLink 。立派でした。根性あるね。

5)Superior Detection of Scaphoid Fractures with High Resolution peripheral Quantitative Computed Tomography Compared to Conventional CT

HR-pQCTを使って舟状骨骨折を検出する試みです。単純X線や通常の臨床用CTよりも検出率が高く、MRIはコスト面で全例に撮るわけにはいかないので、HR-pQCTの臨床応用の1つとならないか、という内容でした。

6)A longitudinal cross-calibration and precision study of 13 HRpQCT scanners using bone mimic phantoms and adult osteogenesis imperfecta subject’s repeat scans

骨形成不全症を多施設で研究しており、その際に行っている、クロスキャリブレーションという、施設間の補正作業の重要性を紹介していました。

7)Rare Metabolic and Dysplastic Bone Diseases: High Resolution Peripheral Computed Tomography (HR-pQCT) Findings at Shriners Hospitals for Children – St. Louis, Missouri, USA
小児のレア疾患(Osteogenesis imperfecta, Hypophosphatasia, Melorheostosisなど)に対する、HR-pQCTの応用に関しての紹介でした。

8)Development of a Pediatric Protocol for the XtremeCT II: Lessons Learned
スタンフォード大学より、小児の撮影方法の標準化に関する報告です。形が変わっていく骨を縦断的に解析することは、かなり複雑な話ですが、骨の成長に関する研究は、間違いなく面白いと思います。

9)XamFlow
骨微細構造パラメーター開発のレジェンド、Hildebrand 先生が、2年前より、骨研究の世界に復帰されています。業界ではざわついています。まだこんなにお若いとは。。現在の基礎となっている骨微細構造の三次元計測は、彼がポスドクぐらいの時に開発したそうです。新しい解析プラットフォームの開発を始めたようで、今後の主流になる可能性大です。


IMG_2291



— posted by 千葉恒 at 08:42 pm   commentComment [0] 

ASBMR@オーランド -4

2019年ASBMR、私たちの発表は、ポスター7題でした。

(千葉)
Effects of ibandronate on bone mineral density and microstructure in patients with primary osteoporosis after treatment with teriparatide 
HR-pQCTでイバンドロネートの効果をみた試験です。

Study on vitamin D deficiency in Japan: relationship to age, gender, and bone mineral density 
日本人のほとんどが、ビタミンD不足であることを示した調査です。

(北島百合子 先生)
The relationship between menstrual disorders and bone metabolic markers in young female athletes
若年女性アスリートの月経異常とそれに伴う骨代謝異常に関する報告です。

(岡崎成弘 先生)
An analysis of the pathogenesis of bone fragility in patients with liver cirrhosis: Measurement of bone microstructure with HR-pQCT
肝硬変患者さんに皮質骨の劣化があることを証明した、HR-pQCTによる研究です。

Association between renal function and bone turnover or bone microstructure: An HR-pQCT study in healthy Japanese women
慢性腎臓病(CKD)のG3までであれば、骨微細構造の劣化はさほど起きていないという報告です。

(白石和輝 先生)
Analysis of bone erosions of the MCP joint using High Resolution peripheral Quantitative CT (HR-pQCT): an investigation of false-positive erosions
HR-pQCTによる関節リウマチの手指関節の評価法を確立するために重要な基礎研究です。

Microstructural analysis of subchondral trabecular bone in patients with osteoarthritis of the knee using second-generation high-resolution peripheral quantitative computed tomography (HR-pQCT)
HR-pQCTを用いて、変形性膝関節症の軟骨下骨が詳細に調べられますよ、という発表です。優秀ポスターに選ばれました。おめでとう!

おそらく日本で最も発表している施設かなーと思います。まぁ、じつは、採択率がめちゃくちゃ高いんですがね、、
みなさんおつかれさまでした。

IMG_2275



— posted by 千葉恒 at 12:24 pm   commentComment [0] 

ASBMR@オーランド -3

続きです。

2)テリパラチド

Zoledronic Acid Maintains Bone Mineral Density after Denosumab Administration (DATA-HD Extension)


去年紹介したLink テリパラチドとデノスマブの新しいコンビネーション治療です。0-9ヶ月でテリパラチド、3-15ヶ月でデノスマブ。つまりは、最初の3ヶ月間だけはテリパラチドを単独で投与して、続く6ヶ月間がコンビネーション、その次の6ヶ月間がデノスマブ単独です。今年はその続きに、ゾレドロネートを投与した、っていう内容で、上乗せ効果があるようでした。

Compared with Daily Teriparatide, Cycles of Teriparatide and Raloxifene Favorably Influence Hip BMD and Cortical Thickness While Comparably Increasing Spine BMD

テリパラチドは大腿骨の骨密度上昇作用が少ないですが、この新しい研究では、テリパラチド単剤群と、テリパラチド1ヶ月→ラロキシフェン1ヶ月を交互に繰り返した(サイクリック)群のRCTを行っています。よく考えつきますね。まだLate breakingの発表で、つまり6ヶ月までの途中の結果ですので、数値的にはまだインパクトがありませんでしたが、サイクリックの方が、大腿骨への影響が良い、という結果でした。ただし、タイトルに反して、データの詳細を見ると、腰椎の上げ幅は下がっているようでした。

3)デノスマブ

Subject Characteristics and Changes in Bone Mineral Density After Transitioning From Denosumab to Alendronate in the Denosumab Adherence Preference Satisfaction (DAPS) Study


デノスマブ1年の後にビスホスホネート1年に切り替えた際、どんな人がBMDが維持されて、どんな人が減るのか、という内容でしたが、話は簡単で、デノスマブ1年でかなり上がっちゃった人は、続くビスホスホネートで下がり、デノスマブでの上がりが平均だと、ビスホスホネートでも維持、デノスマブでの上がりが低いと、ビスホスホネートで上昇、という、日常臨床でよく説明する、「今回よく増えたから、次回はあまり上がらないよ」のままの結果でした。

4)ビタミンD

VITamin D and OmegA-3 TriaL (VITAL): Effects of Vitamin D on Bone Density, Turnover and Structure

天然型ビタミンDのサプリメントでは2000 IUを2年飲んでも骨密度や骨微細構造を改善しないという発表でした。ただ、個人的に面白かったのは、背景情報に、元々のサプリ内服率があって、Caサプリ内服者が16%、ビタミンDサプリ内服者が40%もいたことです。欧米人がサプリをかなり飲んでいることは、人種比較の際に、少し知っていてもいい情報と思います。

今年のオーラルは、全体的に有名な臨床試験の、セカンダリー解析や、新しい切り直しなど、「出がらし系」が目立った気がします。まぁそういう年もあります。

— posted by 千葉恒 at 02:09 pm   commentComment [0] 

ASBMR@オーランド -2

今年の気になったオーラル演題ですが、、

1)ロモソズマブ

Extensive Modeling-Based Bone Formation After 2 Months of Romosozumab Treatment: Results From the FRAME Clinical Trial


ロモソズマブのFRAME Trialにおいて、投与2ヶ月後の骨生検データで、「Modeling-Based Bone Formation」という形式の骨の増え方が、海綿骨と骨内膜面で、はっきりと確認されたという内容でした。

Romosozumab Improves Lumbar Spine Bone Mineral Density and Bone Strength Greater Than Alendronate as Assessed by Quantitative Computed Tomography and Finite Element Analysis in the ARCH Trial


ロモソズマブ1年+アレンドロネート1年と、アレンドロネート2年の比較で(ARCH Trial
)、腰椎骨密度をQCT法で計測したところ、もちろんロモソズマブが圧勝するのですが、24ヶ月の上げ幅のほとんどを、最初の6ヶ月の時点で獲得していることが興味深かったです。

Harry K Genant先生も少し指摘されていましたが、この現象自体はDXAでもわかるわけですが、その程度(magnitude)がQCTで見ると大きいことが面白いです。QCTですと、腰椎のvBMDは1年で22%も増えてしまうのです。

一方、BMDとstrengthの関係をどう考えるかはいつも難しいところで、おそらく同じBMD上昇でも、Modeling-Basedで吸収窩でないところに作られた新生骨と、吸収抑制剤で作られた骨は、骨強度に関して異なる結果をもたらす可能性があります。Ego Seeman先生の質疑は、完全には理解できませんでしたが、おそらく、このことに関連していると思われます。質疑が一番大事なのですが、どこかに音源の記録があれば、この議論の翻訳をしてもらいたいですね。

Efficacy and Safety of Romosozumab vs Placebo Among Patients With Mild-to- Moderate Chronic Kidney Disease (CKD)


ロモソズマブのFRAME studyにおいて、CKD G1、G2、G3で、骨密度上昇に差がなく、また、副作用にも差がなく、FRAMEの患者群では、CKDのG3までは安全に使える、という内容でした。

Sclerostin expression is down-regulated in advanced atherosclerotic plaques and is not associated with coronary artery disease or peripheral artery disease prior to, or major cardiovascular events in the 3-year period following, surgical endarterectomy


どうも世の中には、手術で切除された動脈内膜を貯めている「動脈硬化プラークバンク」の会社があるみたいで(すごい商売、日本にもあるのかな)、本研究では、そこからもらってきた114個のプラークにスクレロスチンが発現しているかを調査したようです。スクレロスチンと血管は関与が小さい、という内容だったようですが、内容が難しく、午後が(日本時間2AM〜)が眠すぎて、私には詳細を完全に理解できなかったです。

今年も本当に英語が聞き取れず、これは一生続くんだな、リスニングはもう生まれ変わるしかないんだな、と思いました。

IMG_2266



— posted by 千葉恒 at 10:07 pm   commentComment [0] 

T: Y: ALL: Online:
Created in 0.0304 sec.

prev
2020.6
next
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30