ASBMR @Vancouver -2

学会初日に最大のヤマがありまして、それは私のオーラル発表です。

このブログでたびたび登場するTERABIT study(テリパラチドのランダム化比較試験)が、
骨粗鬆症の世界で最も権威のあるこの学会の、オーラル発表に奇跡的に採択されたのです。
通知が来た時は、震えましたね。「恐怖」で。

ご存知の方も多いと思いますが、日本は基礎研究と比較すると、臨床研究が苦手分野で、長年の課題とされています。
ASBMRは、基礎だけでなく臨床研究の発表の場であり、骨粗鬆症の大型研究や新薬治験などは、この学会から世界に公開されます。
ほとんどの演題はポスターで採択されるのですが、オーラルは狭き門で、日本の臨床研究が採択されることは、極めて稀です。

10月1日に骨粗鬆症学会が終わって以降、毎日がとんでもないストレスで、気が気でない状態でした。
スライドのブラッシュアップもギリギリまで続き、原稿も何度も手直しをして暗記してきました。

当日の発表直前の緊張、あの光景は、一生忘れられないですね。

結果ですが、、まぁ、「撃沈」でしたね。
発表もカミカミで、質問にも綺麗に答えることはできませんでした。悲しい!!
いっとき悪夢がフラッシュバックしそうです。聞いてた日本人の皆さん、ごめんね。

ですが、内容には興味をもっていただいたようで、終わった後に、
多くの人から良いリアクションをいただき、爪痕は残せたかなと思います。
国際的なコラボ話も2件ほどいただいて、今後の展開も期待できそうです。

国際学会では、データをもっていることはとても大事です。
表面上の挨拶はできても、研究の本題の会話ができないと、いつまでも無名ですので。

国際学会でのオーラル発表は思い出すだけでも8回目で、今回も流暢にはできませんでしたが、
新たに学んだこと、次回に使いたい技がいくつか浮かびまして、来年以降もまた狙いたいと思います。


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— posted by 千葉恒 at 11:53 pm   commentComment [0] 

ASBMR @Vancouver -1

北米骨代謝学会(ASBMR 2023Link )に参加するために、バンクーバー(カナダ)に行ってきました。
ASBMRは2012年から参加している私の主戦場です。

会期が終わって落ち着いてきましたので、ぼちぼちブログをアップしていきます。
いろんなニュースや情報がありました。長編になりそう。

今回の海外出張は、近年の円安の影響もあり、早めにチケット取ったりして、割安にしようと努めたんですが、
宿泊は、今回初めて、Airbnbを試してみました。

Airbnbは、日本語では民泊と表現され、間貸しみたいなイメージもありますが、
空き家を家具付きで貸し出すシステムで、泊まる側としてはウィークリーマンションと近い感覚です。

今回の海外出張の相棒は池永先生なのですが、この旅では彼が終始大活躍しまして、
Airbnbも良い物件を選んでくれました。

写真のようなリビング、キッチン、寝室x2、トイレx2のマンションに宿泊できまして、
会場からは5分の場所だし、もう間違いなく快適でしたね。費用も1人1泊2万円台でしたし。
ただAirbnbは今後徐々に規制が広がり、物件は減っていく見込みだそうです(池永先生情報)。

学会場は、湾沿いにあるとってもおしゃれな建築でした。ここで学会初日から、毎日いろんなことがありました、、


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— posted by 千葉恒 at 08:07 pm   commentComment [0] 

骨粗鬆症学会@名古屋 -3

最終日はランチョンセミナーをさせていただきました。

前半は、私が推している骨粗鬆症の薬物治療の治療方針をお示しして、
中盤は、テリパラチドが骨微細構造におよぼす効果を解析したTERABIT studyのデータをお示しして、
最後に、最近気づいた医療経済的な話題を盛り込んでみました。

また、今回の学会では、若手研究者育成委員会Link の仲間達の活躍にも、テンション上がりました。
全員は見れませんでしたが、蛯名先生の英語発表や質疑応答は圧巻でしたし、
産婦人科の北島先生は、整形外科医が全く理解できてない女性医学への深い造詣がありますし、
理学療法の旭先生は、どうやらすごいデータベースを持ってそうだし、
統計学の上村先生の教育研修講演はとてもわかりやすく、骨分野では貴重な人材で、今後ファンが増えそうな予感です。

4年ぶりの完全現地開催は、須藤会長の元、大成功に終わり、
ディスカッションも活気に溢れ、フロアでは演者とりかこんで質問して、
参加者みんなが何だかテンション高めで、みんなの笑顔、笑顔に、元気をもらいました。

ところで、さきほどホームページLink を確認しましたら、4,700名を超える参加??これはすごい!
評議員会の報告では、会員数は11226名(医師4070名、メディカルスタッフ等 7156名)で、昨年より1500人増です。


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— posted by 千葉恒 at 09:25 pm   commentComment [0] 

森井賞 受賞

本学会で、名誉ある第18回「森井賞」を受賞することができました。

森井賞Link 」は、日本骨粗鬆症学会が、毎年、骨粗鬆症分野における優れた臨床論文に対して
(今回の場合は2022年の論文に対して)表彰する論文賞です。

昨年、Boneにアクセプトされた「TERABIT study」(テリパラチド研究)の論文が、森井賞に採択となりました。
(Randomized controlled trial of daily teriparatide, weekly high-dose teriparatide,
or bisphosphonate in patients with postmenopausal osteoporosis: The TERABIT study)

この論文は、Boneのホームページの「The most downloaded articles in the last 90 daysLink 」において、
アクセプトされた直後の2022年5月ごろから、1年以上にわたあって、ベスト8に入り続けています。

本研究は、共同著者23名、共同著者に書ききれずAcknowledgmentsで謝辞を書かせてもらった方36名、
たくさんの皆様のご協力で、成し遂げた研究です。こころより感謝申し上げます。

共著者も含めて、表彰の盾をいただく予定になっていますが、直前に理事長選挙があり、
共著者も多すぎて印刷が間に合わず、後ほど送られてくるそうです。楽しみです。


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— posted by 千葉恒 at 05:54 am   commentComment [2] 

 

骨粗鬆症学会@名古屋 -2

2日目です。思い出に残る1日となりました。

森井賞については後述します。

2日目は、骨粗鬆症学会で初めて、教育講演の機会をいただきました。
須藤会長から与えられたテーマは、「骨微細構造からみた骨粗鬆症」です。

私は、骨微細構造は日常臨床で検査できるものではないので、
骨粗鬆症学会で扱うテーマとしては、興味をひかれにくい、と思っているのですが、
超満員のご聴講をいただきました。ご参加いただいた方、ありがとうございました。

講演内容は、明日からの診療に役にたつこととして、DXA評価のノウハウで入りつつ、
後半のほとんどのスライドを、自前のデータをお示ししながら「何かを考えてもらおう」という構成にしました。

自前のデータ、つまり、私たちの520名のデータ(J-CaraT study)の散布図を、
100枚のスライドのうち40枚、ひたすら見せまくる、ということをやってみました。

教育講演は教科書的な内容を期待されているので、吉と出るか凶と出るか、心配でしたが、
思いのほか、リアクションは良かったように思います。

同日、夜は、久々の全員懇親会が開催され、古い知り合いにたくさん再会で、楽しい時を過ごせました。
みんなそれぞれのフィールドで地元でがんばっているな、と感じました。

学会のゲストである、Dr. Peter Ebeling 先生は、昨年のASBMRの学会長で、
同学会のアドバイザリーボードで、たまたまちょっと同席しただけでしたが、覚えていただいていて、
会場や全員懇親会、帰りのタクシーもご一緒させてもらい、たくさんお話しをすることができました。
完全現地開催の良さですね。

2023-10-0153945



— posted by 千葉恒 at 05:28 am   commentComment [0] 

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